こんにちは、日本画家の深町聡美です。
ハンドメイド絵具をご存知ですか?
ハンドメイド絵具とは絵具製造会社が作った
絵具ではなく、
個人が作って販売している物のことです。
作り手によって異なる独特の風合いが
魅力ですよね。
しかし、このハンドメイド絵具。
特別な知識や技術、場所がないと
作ることはできないのでしょうか?
大丈夫です、皆さんにも作れます!
今回は、ハンドメイド絵具の作り方と
必要な知識、注意事項をまとめていきます。
ぜひ最後まで読んでみて
オリジナルの絵具を作ってみましょう!
⇒【手作り】ハンドメイド水彩絵の具の魅力を語ります【販売場所はここ!】
Contents
結論:ハンドメイド水彩絵具に必要なのはこれだけ!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_4035-1024x768.jpg)
結論から言うと、
ハンドメイド絵具作りに必要な物はこれだけ!
- ガムアラビック
- 顔料
- お好みでハチミツ
今は「何それ?」という感じだと思います。
ですが、これからそれぞれの意味を順番に
解説していきます。
とりあえず必要なものはこの2〜3つという
事ですね。
ハンドメイド絵具とはどんな絵具?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/IMG_4057-1024x603.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog3_1_question.png)
ハンドメイド水彩絵具って何?
普通の水彩とは違うの?
そもそもハンドメイド水彩絵具をご存知ない
方もいらっしゃるでしょう。
ハンドメイド絵具とは絵具メーカーではなく
個人作家が一つ一つ手作りした絵具です。
多くの絵具作家さんが独自の製法で
好きな色、欲しい色を作っています。
絵具メーカーでは作られていない色や
ラメ、粒状化、分離など特殊な効果がある
絵具が多いのも特徴ですね。
大抵はハーフパンやミニパンに入った状態で
販売されています。
ハンドメイド水彩絵具が売っている場所
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/bu-susukusyo.png)
購入手段は通販がメインです。
特にBOOTHで販売されることが多いようですね。
2mlハーフパンサイズで一色400円前後で
購入可能です。
少数ですがメルカリ、ラクマでの出品も確認できました。
商品を検索する際は
「創作 絵具」
「手作り 絵具」
「ハンドメイド 絵具」
等で検索すると表示されます。
作家さんによっては
ハンドメイド展示会や同人誌即売会等でも
販売されていることがあるようなので、
気になる作家さんの情報はチェックしておくと
良いですね。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog2_2_surprise.png)
実物を見ないとわからないよ!
通販の場合、色見本が数種類用意されています。
ですが、どうしても実物をみて確認したい!
という方は、ドットシート、サンプルを
配布している方を探すと良いですよ。
ラメ系絵具などはサンプル動画をSNSに
アップしている方もいます。
そちらも確認しておくと良いですね!
ではハンドメイド絵具がどんな物か
分かったところで、
皆さんも絵の具を手作りしてみましょう!
水彩絵の具の原料・材料・成分は5つ!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/スクリーンショット-780-edited.png)
ここからは水彩絵具を手作りする上で
必要な道具の解説をしていきます。
ただ絵具の成分の話になるので
少し難しいかもしれません。
できるだけ簡単な言葉で説明しますが
「よくわからんよ!」
という方は飛ばして構いません。
- 顔料(色の粉)
- 展色材(ガムアラビック)
- 保湿剤(グリセリン・蜂蜜)
- 海面活性剤(オックスゴール)
- 防腐剤
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
ご自身で水彩絵具を作る時はガムアラビック、顔料で十分です!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
分かりやすさのために商品サイトを貼っているけど、ガムアラビックと顔料以外は購入しなくて大丈夫だからね!
顔料(色の粉)とは?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2020/12/paint-boxes-2786572_1920-1024x722.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
顔料は色の素の粉末の事だったね!
顔料(がんりょう)は
絵具の「色の素」になる成分です。
皆様はウルトラマリンという色をご存知ですか?
ウルトラマリンはラピスラズリという青い宝石を
砕いて作った絵具です。
この「青い色がついた粉末」を
顔料と言います。
要するに顔料=色の粉です。
顔料=色の粉
ただし水や油に溶けないもののみ
顔料と呼びます。
水や油に溶ける色の素は「染料」と呼ばれます。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog2_1_idea.png)
顔料系、染料系っていうのは
こういう事だったんだね!
顔料=色の粉
ここまでわかれば大丈夫です!
ここからは少し応用編。
顔料の種類について解説します。
顔料の種類ー着色、体質、機能性顔料
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/08/IMG_3407-1024x598.jpg)
顔料には大きく分けて3つの種類があります。
- 着色顔料ー色の素
- 体質顔料ーかさまし剤
- 機能性顔料ーラメやパール素材
着色顔料は「ザ・色の素」です。
ラピスラズリを砕いた粉末の状態ですね。
着色顔料=色の素
高価な宝石であるラピスラズリは
入手が大変!
でも、少しの量でたくさん使いたい!
そこで出てくるのが「体質顔料」!
体質顔料は白~透明の顔料です。
少ないラピスラズリの粉末に透明な体質顔料を
混ぜれば、少量のラピスラズリでもたくさんの
青い粉が出来上がりますよね!
油絵では炭酸カルシウム、
日本画では水晶末等が使われます。
体質顔料=かさまし剤
絵の具の中には色が付くだけの物以外に
キラキラするものもありますよね。
そのキラキラは「機能性顔料」と言います。
機能性顔料=ラメやパール素材
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/02/sharon-mccutcheon-4jLj-GdRn_A-unsplash-1024x683.jpg)
機能性顔料は蛍光、耐水など化学的な
効果を持った顔料全般を指します。
この中でもラメ、パールなどのキラキラ系顔料は
光干渉系顔料、光輝顔料、エフェクト顔料等と
呼ばれていますね。
ラピスラズリ:着色顔料
炭酸カルシウム:体質顔料
ラメ:機能性顔料
ハンドメイド絵具の基本は
これら顔料を好きなように混ぜることです。
顔料の比率や種類によって
好みの色や効果を作ることができるのです。
まれに混ぜると化学変化で有害物質が発生する
組み合わせがあります。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
他にも無機顔料、有機顔料などの分け方がありますが、今回は省略します。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
気になる人は顔料の話を読んでね!
顔料はどこで買えるの?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2020/12/color-3456429_1920-1024x683.jpg)
顔料は画材屋さんの日本画コーナーで
見つけることができます。
油絵コーナーでも取り扱いがある場合も
ありますが、置いていない店もありますね。
ラメやパールはネイル用品として100均でも
取り扱いがあります。
通販ではPIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)
では4500色もの顔料を取り揃えているそう。
※「PGMENT」が「顔料」という意味です。
ぜひじっくりとオンラインショップを
覗いてみてくださいね。
通販では
PIGMENT TOKYO(ピグモン トーキョー)
がオススメです。
実店舗は東京の天王洲にあり、
4500色もの顔料を取り揃えているそう。
ハンドメイド水彩作りのワークショップも
開催されています。
※「PGMENT」が「顔料」という意味です。
ぜひじっくりとオンラインショップを
覗いてみてくださいね。
展色剤ーアラビアゴムとは?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/gum-arabic-gdbbe3c7a4_1280-1024x768.jpg)
montemariによるPixabayからの画像
展色剤とは絵具の材料である顔料を
紙に接着する成分。
つまり色の粉末を紙に貼り付けるための
糊成分です。
いくら綺麗な色の粉末であっても
粉のままでは絵に色は付きません。
砂を紙に乗せても傾ければ落ちてしまいますよね。
なので色の粉末を紙に接着させる糊が要るのです。
水彩の場合は「アラビアゴム(アラビアガム)」
を糊として使います。
展色剤と絵の具の種類
絵具の種類は基本的に展色剤によって
変わります。
例えば油絵具だと乾性油、
日本画だと膠
という感じです。
顔料は変わらず展色剤で使い心地や
性能が変わるのが面白いですね。
アラビアゴムとは
アカシアセネガルという木の樹脂です。
この樹脂を50度程度のお湯で溶かして
濾過して使います。
画材屋さんでは溶けた状態と
欠片の状態で売っていますが、
後者を買った場合は自分で溶かす必要が
あります。
↓どちらも固形タイプなので
自分で溶かさなければいけません↓
YouTubeで溶かし方が紹介されていたので
こちらを参考にご自分でも溶かしてみて
下さいね!
アラビアゴムは乾くとカチカチに
硬くなる性質があります。
それを防ぐのが次に紹介する
グリセリンです!
保湿剤ーグリセリン・蜂蜜とは?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2021/02/honey-924174_1920-1024x683.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
保湿剤は絵具を伸ばしやすくしたり、乾燥から守ったりします!
グリセリンは絵具の保湿や
滑らかさ向上のために混ぜます。
グリセリンとは植物油から作られた
保湿剤や甘味料に使われる無色透明の液体。
保湿効果を謳う化粧品にはほぼ含まれている
と言っても過言ではないくらい身近な
成分です。
昔はグリセリンの代わりに蜂蜜や
水あめが使われていました。
蜂蜜は防腐剤の役割を果たすそうで
ハンドメイド絵具作家さんの中にも
蜂蜜を使っている方がいます。
筆者の知人で絵具のワークショップを
開いている方は、
ワセリンを保湿剤として使っていました。
しかしワセリンは油分が多いため
混ぜすぎると水を弾くなどの弊害が
起こる可能性があります。
グリセリンは吸水力のある「水溶性」ですが、ワセリンは水をはじく「油性」というグリセリンとは真逆の性質を持っています!
グリセリンのデメリットを徹底調査!肌トラブルへの影響とは?!
界面活性剤ーオックスゴールとは?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/phone-wallpaper-g41704e24c_1280-1024x678.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
界面活性剤にはオックスゴールがおすすめですが、絵具づくりに必須というわけではありません!
そしてもう一つ、大事な成分が
「界面活性剤」です。
界面活性剤というと洗剤が思い浮かぶ方も
多いのではないでしょうか?
ですが絵具の中の界面活性剤は
キレイにするのが目的ではなく
- 顔料が塊にならないようにする
- 紙に馴染みやすくする
以上の二つの目的があるそうです。
①顔料が塊にならないようにする
ナノメートル単位のごく小さい顔料は
非常に塊化しやすいのだそう。
そのままでは顔料がキレイに広がらず
良い色にならないのです。
その顔料の塊を均一に広げるのが
界面活性剤の一つ目の役割です。
イメージしにくいと思いますが
顔料分散入門 チャーハンをモデルにして
で感覚的に分かりやすく解説されています。
勉強熱心なあなたに、
本当に読んで頂きたいです。
チャーハンの話だけでもぜひ!
とても分かりやすいです。
もっと科学的なことを知りたい方は
こちらもご覧下さい!
顔料分散の基本的な考え方と最新技術|JTAGE
②紙に馴染みやすくする
界面活性剤には表面張力を下げる
性質があるので、
紙が絵具を弾いて困る!
という事を防ぐことにも使われます。
例えば滲み止め(マルチサイジング)や
ドーサを使った後!
うっかりすると
絵具が水滴になるくらい弾いてしまいます。
また、水彩紙の中には
初めから弾きやすい商品もあります。
界面活性剤はこのような
現象を防ぐことができるのです。
- 顔料が塊にならないようにする
- 紙に馴染みやすくする
とはいえ絵具に洗剤は混ぜません!
「オックスゴール」を使うのがおススメです!
オックスゴール(英:ox gall)は動物、ことにウシの胆汁のこと。
weblio
オックスゴールとは牛の胆汁なのですが
水彩の世界では紙に塗って弾き止めにしたり
ぼかしの技法に使われていますね。
少量のオックスゴールを絵具に入れる
絵具メーカーもあります。
また、ハンドメイド水彩作家さんでも
利用者は多いようですね。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
水彩絵具と相性がいい界面活性剤なんだね!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
無くても絵具を作ることはできますので、特にこだわりがなければ後回しでいいと思います。
こちらも各メーカーから販売されています!
水彩の中の防腐剤・防カビ剤とは?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2021/01/IMG_5248-1.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog2_2_surprise.png)
防腐、防カビ!?
水彩絵具って腐るの!?
水彩は上述の通りハチミツや
アラビアゴムを使っています。
そのため腐る、カビが生えることが
あるのです!
膠も防腐剤がないと数日で
腐りますし日本画家さんは
「分かる~」
という感じではないでしょうか。
しかし保湿剤にも使われた蜂蜜は
防腐の役割があるとのこと。
現代の水彩絵具はアラビアゴムまたはデキストリン等の展色材に、グリセリン等の人工の保湿材を加えて作られますが、ヨーロッパの古典的な製法ではアラビアゴムとハチミツが用いられていました。ハチミツは保湿と防腐の効果を兼ね備えており、絵具の伸びや溶け具合も良好になります。
PIGMENT TOKYO
下記のサイトにも蜂蜜の防腐、防カビ効果が
説明されています。
【はちみつの賞味期限】腐らないってホント?適切な保存方法も解説!|Eレシピ
はちみつはカビが生える?見分け方や対処法をご紹介|はちみつ屋松治郎の舗ブログ
ということで、
防腐剤と保湿剤両方に使える蜂蜜があって
界面活性剤を使わなければ
4種類の材料で水彩絵具が作れます!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog2_2_surprise.png)
4種類も用意するのは大変だよ!
実はこの4種類が全部入っているアイテムが
販売されています!
それが
ガムアラビック(透明水彩メディウム)!
ハンドメイド水彩にはガムアラビックがおススメ!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/watercolor-g811475d8a_1280-1024x682.jpg)
ガムアラビック(透明水彩メディウム)は
顔料を除いた
アラビアゴム、グリセリン、防腐剤の
4つの成分がセットになった液体です!
つまり顔料と混ぜればすぐに水彩絵具が
作れてしまうスゴイ代物!
※クサカベからは以前透明水彩メディウムという
商品名で販売されていましたが、
現在はガムアラビックに名称変更したようです。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
PIGMENT TOKYOさんは蜂蜜を加えるのを推奨しています。
ガムアラビックには
防腐剤が含まれていますが
さらなる防腐対策として蜂蜜を加えるのが
良いとされています。
長期間にわたって使う時や
購入者の使い方が分からない販売時には
防腐防カビは安心できますね!
しかし
筆者はクサカベの「透明水彩メディウム」を
6年ほど使っていますが、
1~2週間で使い終わるような少量の絵具の場合
腐る、カビが生える等はありませんでした。
タレビンに入れたものは年単位で使えました。
(10年近く前の貰い物です。)
もちろん作品にもカビは生えていません。
以上のことから
- 販売する場合(購入者使い方が分からないため)
- 湿度が高い環境で保管する場合
- 小物入れによる自作パレットに入れる場合
- 屋外スケッチ用のパレットで使う場合
などには蜂蜜を加えるのが良いかもしれませんね。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
ガムアラビックにも防腐剤が入っているから、神経質にならなくても大丈夫だよ!
子供でも簡単!砂絵具を作ろう!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2020/12/chemistry-5632650_1920-1024x681.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog2_1_idea.png)
まずは簡単な絵具づくりに挑戦してみよう!
ここでは難しい道具をそろえずに
お子様と一緒に楽しめる
絵具づくりをご紹介します。
簡単にできますので学校や家族の
思いで作りにも最適ですよ。
- 砂
- ガムアラビック
- プラスチックカップ・わりばし
- 蜂蜜
- ふるい
①砂をふるいにかける
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/hand-gfb8a1b0f8_1280-1024x655.jpg)
まずは砂をふるいに掛けて
細かい砂を作ります。
できるだけ細かくしておくことで
着色が簡単になりますよ。
②砂にガムアラビックを混ぜる
砂をプラスチックカップや
紙パレットに出し、ガムアラビックを混ぜます。
カップに入れた時は割りばしで、
パレットの場合は
パレットナイフ(ペインティングナイフ)
を使うと良いです。
このような形をしています。↓
百均にも置いてあるそうなので
気になる方は探してみて下さい。
練る時には砂一粒一粒がガムアラビックに
包まれるくらい丁寧に練りましょう。
乾いた砂があってはいけません。
時間をかけて使いたいときは
保湿兼防腐のための蜂蜜を
加えて下さい。
蜂蜜もしっかり混ぜ合わせます。
③お好みで乾かして使う
混ぜ終わったら完成です!
出来立てのまま使っても良いですし、
通常の透明水彩のように乾燥させて
使っても構いません。
出来立てドロドロの状態では
砂粒による表現がやりやすいですね。
濃く塗るのも簡単です。
逆に薄く塗りたい、
優しい雰囲気にしたい時は
乾いた状態で使うと良いですよ!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
基本の絵具づくりはこれでOK!
超簡単な作り方ーハンドメイド透明水彩絵の具
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/08/3E35EFCB-DA27-48D9-A560-3DB9F35AA833-1024x631.jpeg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
ここからいよいよ本格的な絵具づくりだね!
均一に伸び、常に同じクオリティの絵具を
作るには専門的な道具が必要です。
ここでは画材屋さんで用意できるもの、
代用できるものを使って簡易な方法で
絵具を作っていきます。
- 練り棒(パレットナイフ)
- 練り板(鏡、ペーパーパレット)
- 顔料
- ガムアラビック
↓作り方はこちらの書籍、サイトを
参考にしています。↓
⇒S-87:安全に配慮した簡易的なハンドメイド絵の具のつくりかた
練り棒
練り棒やクリスタルマーラー
という名前で販売されています。
小さくても一万円程度する高価な道具なので
初めから用意する必要はありません。
今回はパレットナイフで代用しました。
大きい乳棒を使う人もいるようです。
漆に使うような木べらも良いでしょう。
練り板
本来は大型の大理石板を使うそうですが
ガラス板や大理石パレットで代用可能です。
漆工芸ではガラス板を使っていますね。
今回は参考文献でお勧めされていた
鏡を使いました。
もちろん100均です。
どちらも入手しづらい方は
ペーパーパレットを使いましょう!
油絵の古典技法でも顔料を油と
混ぜて絵具を作りますが、
その際ペーパーパレットを使う方も
いらっしゃいました。
練り混ぜるのは絵具づくりで
重要な工程です。
そのための本格的な道具もあります。
しかし個人で水彩絵の具を作る時には
ここまで気にしすぎる必要はないでしょう。
まずは実践して絵具で遊んでみて下さいね!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
伝統的で正しい手法でやってみたい方は、後述する絵具づくり体験会に参加するのがおススメです!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
「伝統的な方法でしかやってはいけない!」ってことはないから試しに自作して遊んでみてね!
①顔料を広げる
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/09/DBA3EF23-C8B8-4907-9C9E-0DC665101677-1024x623.jpeg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
平らな板に顔料を出そう!
まずは鏡に顔料を出します。
今回はピンク系の顔料と
ゴールドアフレアを
混ぜてみることにしました。
一体どのような色が出来上がるのでしょう。
今から楽しみですね。
②顔料に水彩メディウムを混ぜる
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/09/2E739A40-E634-45AB-A3BF-9972CE5B79FD-1024x610.jpeg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
さっそくガムアラビックを混ぜてみよう!
顔料にガムアラビックを注ぎます。
顔料の中心を凹ませ、
そこに注ぐと良いそうです。
上画像では端に出してしまったので
混ぜにくくなってしまいました!
③ヘラでよく混ぜる
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/09/F62C06C5-19AF-4B66-A6F7-D4D6C523B74C-1024x690.jpeg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
丁寧に混ぜ合わせようね!
ヘラやパレットナイフで丁寧に混ぜます。
顔料全体にガムアラビックが浸透するように
しつこく混ぜ合わせましょう!
ガムアラビックは
「ギリギリ顔料に混ぜ合わさるくらい」
が適量です。
ガムアラビックを入れすぎると
発色が落ちてしまうので注意しましょう。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/09/4D857985-B2EE-482D-B50F-3965A11D2AB2-1024x715.jpeg)
練り混ぜると徐々にオレンジ色に
なってきました。
この後さらにヘラ、マーラーで
練っていきますが今回は省略です。
④パンに入れる
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/09/F5844BBD-523A-453F-B4BE-3CBF60B00F45-1024x576.jpeg)
乾燥前と乾燥後では色が変わるので
確認しておくと良いですね。
好みの色になったら配合を
記録しておきましょう。
しっかり混ぜた後は、
乾燥前に試し塗りをしてみましょう。
その後、パンに入れて乾燥させます。
パレットナイフで掬って入れて下さい。
ハーフパン、ミニパンなどは
このようにセットで販売されています。
「100個あっても困るよ!」
という方はメルカリで小分けになった物を
購入するか、代用を使うのが良いですね。
ハーフパンの代用探しは
こちらからCHECK!
チューブのように乾燥させずに使う時は
百均のタレビンに吸い込ませて
保存するのがいいですよ。
⑤試し塗りをする
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/09/FEFA465D-3119-4EF4-9040-3B575AA85E8B-1024x557.jpeg)
乾燥した後の色もチェックしましょう!
今回の配合ではピンクの中に
金のラメが浮かぶ想定でしたが
くすんだオレンジ色になってしまいました。
金の粒子が大きすぎたのが
原因かもしれません。
「想定通りにいかないのが面白い!」
とも言えますね。
化学の知識があれば狙って色を
作れるのかもしれません。
ぜひ皆さんの工夫と知識とアイデアで
面白い色を作ってみて下さい!
【必読】作る時の注意点ーハンドメイド透明水彩絵の具
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2021/06/poison-1481596_1920-1024x576.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/animalface_inu.png)
絵具を作るって楽しいね。
注意事項はあるの?
実は顔料の中には毒性を持つものが
あります。
販売されている顔料のパッケージに
注意書きがあることが多いので
確認しながら選びましょう。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
現在では有毒な顔料の取り扱いは減っています。
気になるようでしたら画材屋さんに尋ねてみて下さい。
毒性がある顔料の詳細はこちら!
例えば深みのある美しい青、
「コバルトブルー」。
これに含まれるコバルトは
発がん性、呼吸器障害などを引き起こす
可能性があるとされています。
参考
コバルト:職場の安全シート
また土壌、水質汚染を引き起こすので
水に流してはいけません。
混ぜた時、熱した時に
有毒ガスを発生させる組み合わせもあります。
特に日本画材で使われる
「辰砂」(本朱)の扱いには
気を付けて下さいね!
毒性がある顔料の扱いに気を付けよう!
ちゃんと絵具づくりを習いたいなら工場見学へ!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/kaboompics_Painting-with-Brush-and-Acrylic-Paintings-1024x682.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog2_1_idea.png)
せっかくならもっと本格的なやり方で作りたいな!
プロに教えてもらいながら勉強したい!
そういう方はぜひ各社のワークショップに
参加されてください!
現在二社で行われているようですが
見つけ次第追記していきます。
どちらも日本各地の美術館、画材屋さんが
研修に行くほどですので、
確実な知識を身に着けられますよ!
絵具メーカーのクサカベでは工場見学が
開催されています。
https://www.kusakabe-enogu.co.jp/factory/event
PIGMENT TOKYOでは絵具づくりの
ワークショップに参加できます。
https://pigment.tokyo/ja/workshop/
ハンドメイド絵具作りと油絵、日本画の共通点
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/09/834F5E75-9DFA-4A5C-B354-913833E107B6-1024x446.jpeg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/dog2_2_surprise.png)
水彩絵具以外も顔料を糊で混ぜるの?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
油絵、日本画、漆工芸などでも糊と粉末を練り合わせています。
今回実際に作ってみて、
水彩絵具づくりは
- 日本画
- 油絵
- 漆工芸
等と共通点があることが分かりました。
日本画では顔料と膠を混ぜますが、
その際も膠が多すぎると良くないと
されています。
漆工芸ではガラス板の上で
ヘラを使って漆と砥の粉を
練り合わせます。
油絵ではペーパーパレット上で
パレットナイフを用いて顔料を練りました。
それぞれ性質は全く異なるものですが
むらなく練り合わせるという点では
共通しています。
もしかしたら他にも共通点があるかもしれません。
皆さんも他の分野も体験して、
同じところ、違うところを
見つけてみて下さい!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/thedog-2.jpg)
気づきは知識を深めます!
まとめーハンドメイド透明水彩絵の具の作り方
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/10/スクリーンショット-780-edited.png)
最後まで読んで頂きありがとうございます!
とても長くなってしまいましたが、
大切なのは一つだけ!
- 水彩絵の具は自分で作れる!だから作ってみよう!
基本的な手順は
- パレット、大理石板、鏡などに顔料を広げる
- パレットナイフを使って少量のガムアラビックと練り合わせる
- マーラーでさらに練る
- チューブやパンに詰める
- パンの絵具を乾燥させる
この5ステップです!
とても簡単にオリジナルの
絵具が作れますので、
みなさんも画材屋さんで道具を揃えて
「欲しかったあの色」を作ってみましょう!
絵具づくりにあると良い物、集めました
これがあれば作れる!
イタリアの高級絵具メーカー
「マイメリブルー」のガムアラビックです。
アラビアゴム、抗発酵剤、グリセリン
が入っています。
100%だと腐らない!?
参考サイトによると、
純度100%の蜂蜜だと
腐らず、カビも生えないそうです。
今回は100%と表記がある蜂蜜を
ひとつ選んでみました。
皆のあこがれ!
皆のあこがれ、
本格的絵具作り道具です。
絵具作りに本気なあなた!
ぜひ入手して素敵な絵具を作って
販売してみませんか!?
パンは画材屋さんに置いてないかも…
空のハーフパンは
画材屋さんでもレアなんです。
沢山作るぞ!という方は
通販で入手してください!
メルカリなどで小分け販売されている
こともあります。
もっとちゃんとわかる!
ここで紹介する本の中では
最も安価&初心者向け!
対談形式だから読書が苦手でも
完読できます!
ちょいムズだから、ためになる!
上の本より難しめ。
「絵画制作入門」は
油絵向けの絵具の話が
書かれています。
おすすめサイト
油絵具の手練りを解説したサイト
http://www.cad-red.com/jpn/mt/oil_grind.html
手作り油絵具が細かくわかるサイト
https://cc.musabi.ac.jp/zoukei_file/01/aburaenogu/01e.html
絵具メーカーのクサカベでは工場見学もできます
https://www.kusakabe-enogu.co.jp/factory/event
PIGMET TOKYOはザ・顔料
https://pigment.tokyo/
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ハンドメイドの透明水彩絵具は、顔料とメディウムを混ぜれば作れる。