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【100均】ウォーターパレットの作り方!アクリル絵具を乾かさず使う!【ガッシュ】

こんな人にオススメ!
  • パレットのアクリル絵具やアクリルガッシュが乾いて描き進められない方
  • ウォーターパレット(ウェットパレット)が何時間乾かないか知りたい方
  • ウォーターパレット(ウェットパレット)の使い心地を知りたい方


こんにちは、日本画家の深町聡美です。

アクリル絵具って乾燥が速くて使いやすいけど
パレットの絵具までカチカチになるのがな~




アクリル絵描きの皆さんの中には
パレットのアクリル絵具の乾燥に
悩んでいる方も多いのではないでしょうか?



そこで使って頂きたいのが
ウォーターパレット!



ウォーターパレットは
ウェットパレット
とも呼ばれる
保湿できるパレットなんです!



今回の記事では

  • ウォーターパレット(ウェットパレット)の入手方法
  • ウォーターパレット(ウェットパレット)の使い心地
  • ウォーターパレット(ウェットパレット)は本当に絵具が乾かないのか?!

この3点を写真たっぷりで実験していきます!

※以下ウォーターパレットに統一します。



「アクリル絵具って何?」
という方はこちらから!

⇒アクリルガッシュにオススメの身近なパレット8選!【汚れにくい&捨てやすい!】

⇒アクリルガッシュとアクリル絵の具の違いはコレだけ!【画材】



アクリル絵具を乾かさないためには保湿しかない

Juraj VargaによるPixabayからの画像

アクリル絵具がカチカチになっちゃって描けなくなっちゃった!
乾燥を遅くする方法はないの?!


はじめに、
アクリル絵具は速乾性の絵具でしたね。


速く乾くと、描き進めるのも速くなって
助かります。

乾くのに何日もかかる油絵よりも手軽に使えて、
それでいて重厚な絵が描けると
アナログ絵描きさんの中でも人気の画材です。



また、特徴として耐水性も有しています。


つまり、乾くと水に溶けなくなってしまう
特徴があるんです。


そのお陰で塗り重ねても滲む事がないのですが、
パレットではその速乾性と耐水性が仇になります。



パレット上で一度乾いてしまうと、
水彩のように水を付けた筆で撫でた所で
筆に色は付きませんから、

もう一度チューブから出し直しです。
そして混色もやり直しです。

「混色した絵具が数分で乾いて
混ぜ直しました。」

とよく相談を受けますが、
確かに、これでは全然描き進められませんよね。



アクリル絵具よりも乾燥が速い「アクリルガッシュ」
という絵具は10分ほどでカチカチになることも…



リターダーという乾燥を遅らせる溶剤もありますが
水っぽくなりすぎたり、着色後の感想も遅くなる
という欠点もあります。

↑アクリルガッシュを水彩のように使う時



絵の乾燥時間は速いままで、
パレットのアクリル絵具だけ乾きにくくする…




そんな方法は結局
保湿して乾かないようにするしかありません。

じゃあ、数分毎にパレットに水をかけるの!?

DAERNIHO

大丈夫!保湿のためのパレットが「ウォーターパレット」だよ!



アクリル絵具用ウォーターパレットの作り方

pixabay
DAERNIHO

ウォーターパレットは身近な物で簡単に作れるんだ!


ウォーターパレットは身近な物で
簡単に作れます。


後述するショップで購入もできますが、
まずは作り方をご説明しますね。

材料ーアクリル絵具用ウォーターパレットの作り方①

用意するもの
  • プラスチック製の箱
  • スポンジ
  • クッキングシート
    (オーブンペーパー)
  • はさみ


ウォーターパレットのために用意するのは
2~3個の材料だけ!


どれも100均に売っているので、
手軽に作り始めてみましょう!



とは言っても似た商品が多くて
迷う方もいらっしゃるかもしれませんので
商品名を挙げながら紹介していきます!


ご参考になれば嬉しいです!


DARENIHO

今回はセリアの商品を使いました!




プラスチックケース(はがきケース)



今回はセリアの「はがきケース」
(郵便はがき120枚収納できる)
を使います。


大きめパレットサイズで広く使えそうですね。


作業スペースに合わせて類似の
プラスチックケースを用意して下さい。


屋外で使う時は小さいと便利ですね。



スポンジ



セリアの「ネットクリーナー」
(5個入り110円)を購入しました。


プラスチックケース全体に引き詰められる量の
スポンジが必要になります。


この商品はまとめて買えるのが良いですね。



周りのネットは切り取って、
中のスポンジだけ使用します。


メランスポンジもOK!

むしろ水分を含みやすいので
メラミンスポンジの方が良さそうです。



クッキングシート(オーブンペーパー)



最後はオーブンに使う
「クッキングシート」


キッチンペーパーじゃなくて、
クッキングシート
なので要注意です!


フワフワしている物ではなく、
表面がツルツルした薄い紙の方
購入しましょう。


こちらもセリアで取り扱いがあるようです。


組み立て方ーアクリル絵具用ウォーターパレットの作り方②

1.スポンジをはがきケースに入れる



まず、スポンジをネットから出し
はがきケースの大きさに合うようにカット



長辺は若干カットしたものの、
短辺は三個が丁度良く収まりました。



2.水を入れる



スポンジに十分水が染み込むように
もみ込みながら水を入れます。


入れすぎるとスポンジが浮いてしますので
底面がしっかり浸る程度の水量で
十分でしょう。

3.クッキングシートを乗せる


スポンジの上にクッキングシートを乗せます。



そのままでは浮いてしまうので、
長めにカットしてスポンジの裏に
回し込みました。


ウォーターパレットは
スポンジに吸い込まれた水分を
クッキングシートの上に染み出させて
保湿する仕組みです。



なので、スポンジからクッキングシートが
浮かないよう工夫しましょう。




これでウォーターパレットは完成!

説明するほどでもないレベルで
超簡単でしたね!


ウォーターパレットの作り方
  1. プラスチックケースにスポンジを入れる
  2. 水を入れてスポンジに吸わせる
  3. キッチンペーパーを乗せる
  4. 完成!

キッチンペーパーが水を含むまで待つと、もっと乾きにくくなるよ。



【実験】ウォーターパレットのアクリル絵具は本当に乾かない?

こんなに簡単な作りでアクリル絵具が乾かないって本当?

ていうか、こんなパレット使いにくくない?

こんなサイトに来る絵描きさんなら
このような疑問を持つ方も多いでしょう。


というわけで、この章では

  • 本当に乾きにくいの?
  • 速乾性のアクリルガッシュも保湿できる?
  • 使い心地はどうなの?

ということを確かめていきます!


アクリル絵具の場合



まずはアクリル絵具の保湿具合を確かめます。

使った絵具はターナーの「U-35」



一時間ほど使いながら
乾燥具合を調べてみました。

一時間後
©DARENIHO


ご覧の通り、
一時間経っても固まっていません!


混色した少量の絵具も、
問題なく使えます。


©DARENIHO


途中で追加したアクリル絵具。



絵具量、水分が少ないためか
乾燥気味になりました。



クッキングシートに浸水する前に
使い始めたため
だと考えられます。

ウォーターパレットはアクリルガッシュも乾かない?

アクリルガッシュも大丈夫
©DARENIHO


アクリル絵具より速乾性である
アクリルガッシュもこの通り!



こちらも一時間放置した結果、
少し塊感はあるものの問題なく使えます。



ウォーターパレットは24時間経っても使えるのか?!

©DARENIHO



その後24時間放置しました。



結露していますが、
30分も放置したら固まる絵具が
24時間後に使えるわけないですよね!


©DARENIHO



24時間後もアクリルガッシュが乾燥していません!


むしろクッキングシートの水気と結露で
一時間放置した時よりも柔らかです。


アクリル絵具もアクリルガッシュも、ウォーターパレットなら24時間乾かないんだね!



ウォーターパレットの使い心地はまあまあ

TumisuによるPixabayからの画像



アクリルガッシュでさえ乾燥しないと
分かりましたが、
パレットとしての使い心地はどうでしょうか?



正直なところ、デザインパレットに慣れていると
少し使いにくいと感じました。


使いにくい理由
  • 柔らかい感覚に戸惑う点
  • 絵具を弾く点


ウォーターパレットの柔らかい感覚に戸惑う…

今回作ったウォーターパレットの表面は
クッキングシートでしたね。


そのクッキングシートがフワフワ浮いている感じや
水分を含んで皺になった時の感覚
が気になります。


しかし慣れれば問題なく使えそうでした。


硬いパレットに慣れていたら最初は気になるかも!


ウォーターパレットは絵具を弾く

柔らかい手応えよりも気になったのが
絵具を弾く点です。



クッキングシートが水分を弾き
絵具が混ぜにくいです。




大作として一度にたくさん混色する事が
思いつきましたが、
量が要らない時は困りますよね。



こちらも慣れるか、お店で弾かない
ウォーターパレットを探すしかなさそうです。


学校で使うような硬いパレットとは大分感覚が違うんだ!


アクリル絵具用ウォーターパレットを買える場所

HansによるPixabayからの画像

便利なのは分かったけど、手作りは面倒だなあ。
お店では買えないの?



ここでは作り方を解説してきましたが
ウォーターパレットは模型店で販売されています!




また一部画材屋さんでも取り扱いがあります。




ただ比較的安いボークスでも500円。
海外画材メーカーのは数千円かかります。



アクリル画制作をする上で
必要になった時に、

  • より使いやすい紙を探す
  • 替えの紙だけ注文する

というように、目的を持って
購入してみるのが良いでしょう。

ウォーターパレットはお店で売っています!
作るのが大変な人や、より良い画材を使いたい人はお店で購入すると良いですね!





まとめー【100均】ウォーターパレットの作り方!アクリル絵具を乾かさず使おう!【ガッシュも】



最後までお読み頂きありがとうございました!


実は、
「ウォーターパレットなら
アクリルガッシュも数日間は使える」


という話は知っていました。

ですが「それは流石に無理でしょ!」
半信半疑でいたんです。


なので今回実験をして
「本当に数日間は使えそう」なのが分かり
少し感動です!


ぜひ皆さんも、

  • プラスチックケース
    (はがきケース)
  • スポンジ
  • クッキングシート

この3つを揃えて
アクリルガッシュも乾かないパレット
「ウォーターパレット」を作ってみて下さい!







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