- 良い構図が思いつく構図力を上げる方法
- これだけでOK!カッコいい構図の考え方
突然ですが、質問です。
あなたは、構図が思いつかないからと言って
「良い構図」で検索をして、
出てきた画像に合わせて
絵やイラストを考えていませんか?
それでは毎回、型に合わせないと
絵が描けなくなってしまいますよね。
これは、「構図の考え方」を
知らないから起こってしまう問題です、
ですが、
- 正しい構図力の上げ方
- ただ一つの構図テクニック
さえ分かってしまえば、
構図で悩むことが格段に減ります。
今回は
- 構図力の鍛え方
- ただ一つの構図テクニック
さらに - 良い構図の選び方
をマスターして、イラストを悩まず描ける
ようになってみましょう!
Contents
イラストや絵画の構図力を上げる方法とは?

イラストや絵画を、楽に上手に描く方法。
そのうちの一つが、
構図力を高めて感覚的に良い構図で
描けるようになることです!
でもネットに優秀なテンプレート(型)が
あるからと、それに頼ってばかりでは
地力は付きません!
「なぜこの構図が良いのか?」
を理解する必要があるのです。

どうすれば、構図を理解できるようになれるの?
構図力を鍛える方法はとてもシンプルです。
- 構図の分析
- 写真の練習
この二つに挑戦するだけで、
あなたの構図力はどんどん向上していきます!
イラストを分析して、構図力を上げよう!ー構図の理論がわかる


まずは一つ目の方法、
「イラストの構図の分析」
からやってみましょう!
「分析」と言うと、難しそうに感じますが
やり方はとても簡単です。
葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を例にして
順番にやり方を解説していきます。
①イラストの構図を模写しよう!


まずは、あなたが
「この絵の構図、かっこいいな~」
と思った作品を用意します。
絵はがきでも画像データでも構いません。
もし、好きな作品が見つからない時は、
pinterestなどを使って好きな絵を集めましょう。
好きな作品を見つけたら、
構図の模写をします!
ですが、細かい所や色を写す必要はありません。
また、大きさも5㎝程度で構いません。
シルエットや、構図を作っている「物」
(この場合船、波、富士山)
を簡単に描き写すだけです。




レイヤーを重ねて、なぞり書きした方が良い?
という質問がありましたが、
そこまで丁寧にしなくても大丈夫!
丁寧にするよりも、数をこなす方が
大切な練習方法です。
②イラストの構図を分析しよう!


模写が出来たら、分析を描き込みます。
例えば、上の画像では
・遠近感
(三つの空間)
・視線誘導
(画面外への拡がり)
・動きの表現
(円の組みあわせ)
を発見していますね。
この三点については、次の章で詳しく解説します。
今は「線とか丸とか描き込んで、
カッコよく見える理由を探すと良いんだ!」
だけでOK!
まずは試しに、やってみて下さいね!




でも、難しくて分からない!
そんなときは、
- 最も目立つ場所
を探すのがオススメです!
そして、なぜ、そこが一番目立つのかを
考えてみましょう!
ヒントは「コントラスト」です。
「そんなの余裕だよ!」
と言うあなたは、
- 曲線を繋げる
- 視線の向き
- 円がどこにどれだけあるか
などに着目してみて下さい!


構図のテンプレートを使うだけでは
「なぜその構図が良いのか?」に、
なかなか身に付きません。
また、最初から知っている
型(黄金比、三角構図、分割法など)
だけにこだわると、柔軟性に富んだ制作が
できませんよね。
構図の地力を上げるには、
分析して考えることが、一番の近道です。
- 好きな構図の絵を探す
- 模写をする
- 分析を描き込む
なぜ、その構図が良いのか考えてみよう!
自分の作品を後から分析したり
友達と一緒に考えてみると面白いですよ。
写真を練習して、イラストの構図力を上げよう!ー構図の感覚がわかる


次にオススメするのが、
写真を撮って構図を練習する方法です。
作品の模写と分析が「構図の理論」を
身に着けるとしたら、
こちらのやり方は「構図の感覚」を
身に着ける方法になります。
やり方は簡単。
「良い構図だ!」と、あなたが感じるような
写真を撮るだけです!
スマホが手軽すぎて、
構図を考えずに撮ってしまうな~
という方は、デジカメや「写ルンです」のような
フィルムカメラを使うの良いですよ!
考えながら撮るだけでも感覚的な構図力は
向上していきます。
ですが、分析する工程を加えると
感覚だけでなく論理的に
構図を考えられるようになりますよ。
- 良い構図になるように写真を撮る
- 「良い構図」と「そうでもない写真」に分ける
- なんで「良い構図」になったか考える
- 写真の構図にこだわろう!
良い構図を感覚的に身に着けられる! - デジカメやフィルムカメラがオススメ!
イラストや絵画の良い構図ってどんな構図なの?


構図を考え、分析するにしても
良い構図の条件を知らなければ
上手くいきませんよね。
ここでは
良い構図とはどんな構図なのか?
を大まかに説明していきます。
先に結論から書きますね。
- 見せたい・伝えたいポイントが分かる
- 空間的な広がりを感じさせる
- 複雑で楽しい
見せたい・伝えたいポイントが分かる!-イラストや絵画の構図の考え方①


まず、前提として必ず決めるべきこと。
それは、「どこを一番目立たせたいか」
そして、「何を描きたいか」です。
これが無ければ構図が決まらないと言っても
過言ではありません。
「どこを一番目立たせたいか」
「何を描きたいか」
が伝わるのが、良い構図です。
たとえば、
上の画像はどちらもライオンがメインに
描かれています。
しかし、
「ライオンを通して世界観」を表すのか、
「どっしりしたライオン」を表すのかで
どちらの構図がベターなのか変わりますよね。
「どこを一番目立たせたいか」
「何を描きたいか」を決めた上で、
それを表すのにより適した構図を選ぶのが
大切なのです。
「何を描きたいか」を決めて、
「どこを一番目立たせたいか」を考えるのが大切!
空間的な広がりを感じさせる!-イラストや絵画の構図の考え方②


次のポイントは
「空間的な広がりを感じさせる」こと。
つまり、同じ大きさでも大きく見える、
迫力あるように見えるのが良い構図です。
具体的に考えるべきことは、2つあります。
ひとつは「空間の奥行き」。
もうひとつは「空間の拡がり」です。
空間の奥行きを出すには、北斎の例で出てきた
「奥・真中・手前」の遠近感が大切になります。


葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」は
- 手前…波
- 真中…大波
- 奥…富士山
と、3つの遠近感を表す物によって、
窓の向こうに遠く景色が広がるような
奥行きを作りだしているのです。


「空間の拡がり」の出し方はもっとシンプル!
最も簡単なのは、
何かをはみ出させること!
少し窓の向こうの景色を見て下さい。
いかがでしょうか。
全ての物が窓の中に納まっていますか?
そんなことはないはずです。
ビルや樹木は窓枠に入りきらず
途中で切れているでしょう。
キャンバスも、この窓と同じです。
キャンバスという窓の中に全て収まってしまうと
絵の中の世界はそこで閉じてしまいます。
私達には窓の外側を想像する余地がないのです。
逆にキャンバスの外に続いているような
構図なら、大きな空間的拡がりを
感じさせることができるのです。
大きく見せる構図にするには
- 奥・真中・手前の3つで奥行きを出す
- キャンバスからはみ出させて拡がりを生む
を試してみよう。
複雑で楽しい構図ーイラストや絵画の構図の考え方③


人間の脳はとてもシンプルに出来ています。
どれくらいシンプルかというと、
「いっぱいいある事は、良い事」
ぐらいシンプルです。
様々な情報があると、脳が嬉しくなって
しまうのだそうです。
構図も同じく、様々な要素を重ねて、
複雑にすることが大切!
北斎の「神奈川沖浪裏」を見てみましょう。


いくつも円が重なっていたり、
奥行きがある配置になっていたり、
波と雲が繋がって広がりを生んだり、
船が動きを作ったり、
と様々な要素が重なっています。
ですが、もし右側の波が無かったら
どんな印象になるでしょうか?


なんだか動きが減りましたね。
単調でつまらなくなってしまいました。
逆に言うと、
要素が増えれば「凄い絵だな!」
「おもしろい絵だな!」
と思われる可能性が高くなるということです。
初めの内は、どんどん要素を加えて、
複雑な構図で描いてみましょう!
複雑な構図にしてみよう!
- 見せたい・伝えたいポイントが分かる構図
- 空間的な広がりを感じさせる構図
- 複雑で楽しい構図
この3つのポイントを押さえると
良い構図になることをお話してきました。
黄金比などの有名な型も、
これを達成するからこそ良い構図と
言われているのですね。
では最後に、
複雑な構図にするためのコツとして
黄金比や三角構図等の型をご紹介いたします!
応用的な話
【視線の誘導】
動きや拡がりを出すための考えとして
「視線の誘導」という物があります。
一番目を引くところからどこへ逃がすかを
誘導していくテクニックです。
【視線の誘導に使われる物】
ひも状の物で誘導することもありますが、
「神奈川沖浪裏」の波と雲のように
繋がっていなくても使うことが出来ます。
また、人物の視線の方向も良く使われます。
【抜け感】
複雑化しすぎると、逆に画面の空間の拡がりを
疎外することもあります。
明度を調整するなどして鑑賞者の視線を
止めないようにすると、拡がりが戻ります。
イラストや絵画の構図の考え方6種類を紹介!
コレだけでOK!「円を3つ以上組み合わせる」ーイラストや絵画の構図の考え方①


簡単に複雑な構図を作れるテンプレート(型)。
種類は様々ありますが、
「これだけで十分では?」
と言っても過言ではないのがこの方法。
「円を3つ以上組み合わせる」です。
円は大小様々な大きさで、
重なる部分も作りましょう。
キャンバスからはみ出すような
大きな円も良いですね。
できれば5つ以上あると良いのですが、
難しいときは3つから始めてみましょう!
この構図のいい所は、
他の事を覚えたり、考えたりしなくても
勝手に黄金比や三角構図、3分割法などを
複数組み合わせた状態になっていることです。
一粒でいくつも美味しい状態に
なれてしまうのですね。
シチュエーションを重視したイラストでは
使いづらいかもしれませんが、
デザイン的なイラストを描く方にはピッタリです。
ぜひ一度、皆さんも試してみて下さいね!
大迫力!「一点透視図法」ーイラストや絵画の構図の考え方②


一点透視図法。(いってんとうしずほう)
なんだか難しい感じですが、
眼科検診の気球の風景を想像して頂ければ
分かりやすいと思います。


建築やイラストなどで自然な遠近感を
説明するために使われる方法です。
線の中心が一番目を引き、
シンプルなため自力で線を引きやすいので
使いやすい型と言えます。
その一方で、単純すぎるという欠点もあります。
他の型と組み合わせたり、要素を足したりすると
いいですね。
安定・不安定「三角構図」ーイラストや絵画の構図の考え方③


三角構図は読んで字のごとく、
画面内に三角形を作る構図です。
普通の三角形を作ることで
どっしりとした安定感を感じさせる作品になります。
一方で、斜めの三角形や逆三角形を形作ると
浮遊感、不安定さを表現できます。
何をモチーフにするかで使い分けるといいですよ!
風景画などにも使いやすい、応用が利く型ですね!
平山郁夫の原画の雰囲気はこんな感じです。
構図の基本「三分割法」ーイラストや絵画の構図の考え方④


三分割法。
こちらはキャンバスの縦横を、三等分する方法です。
一辺の長さ÷3の幅に線を引くだけですね。
この線が交差する四点が、
一番目を引くポイントになります。
つまり、目立たせたいものをこの点に置こう!
ということです。
下のイラストをご覧下さい。


何も考えずに描いただけの落書きですが……


目の位置が(およそ)三分割の点に重なるように
動かしました。
これだけでも、最初より洗練された
雰囲気になります。
動かしたことで左側に余白が出来たので
背景をつけてみました。
特に何も考えませんでしたが、
これだけでもイラストのアイデアスケッチに
使えそうです。


究極の美しさ「黄金比」ーイラストや絵画の構図の考え方⑤


人間が最も美しく感じる比率と言われているのが
「黄金比」です。
この黄金比の螺旋型に沿って描いていくのが
黄金比を用いた構図の考え方です。
しかしながら、特徴的な形ゆえに
螺旋形にとらわれ過ぎて描きたい物が描けない。
という人も見てきました。
そのため、
- 先に自分で構図を考えた後、微調整に用いる
- 良い構図と感じた絵に重ねて感覚を磨く
のがオススメです。
前述の通り、黄金比は人間が最も美しく感じる形。
なので、いい感じの構図の時に勝手に生えてくる
くらいの気持ちで使ってみましょう。
⇩黄金比を使ったイラストの一例です⇩
まとめーすぐ分かる!イラストや絵画の構図が思いつかない時の考え方
今回の記事では
- 良い構図が思いつく構図力を上げる方法
- これだけでOK!カッコいい構図の考え方
をお話してきました。
- 構図力の上げ方…構図の分析・写真の練習
- 構図の考え方…大小の円を3つ以上組み合わせる
今回お話した方法で構図力を鍛えて
素敵な作品を作ってみて下さいね!




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