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【絵を売りたい画家必見!】黄袋(きぶくろ)の作り方

この記事で分かること
  • 黄袋の作り方が分かる!
  • 裁縫苦手&ミシンなしでも黄袋が作れる!

こんにちは、日本画家の深町聡美です。


あなたは作品を販売する時、
どんな梱包で納品していますか?


多くの作家さんが厚紙の箱に入れて
プチプチに包んで終わりだと思います。




実は画廊ではもっと高級感ある
お包み方法をしているんですよ。


しかも誰でも簡単に、高級感や
丁寧さを感じさせることができる
梱包テクニック
なのです!




今回は、お客様がもっと喜ぶ、
画廊の作品お包みテクニックのひとつ、
「黄袋」の作り方をご説明いたします!




図付きで手順を説明していますので
お裁縫が苦手な方でもすぐに実践できますよ!

黄袋とは?ー作り方を知る前に

差し箱はこんな箱

黄袋とは作品を箱にしまう際に額縁に
キズがつかないようにするための袋です。



タトウ箱や差し箱のように
箱の短辺が開いて開けられる箱では
絵の出し入れの時に額縁を
擦ってしまいますよね。




それを防ぐための袋が
「黄袋」(きぶくろ)
なのです。



タトウ箱・差し箱とは?

ギャラリーや百貨店での
絵画の販売で使われているのが
「差し箱」と呼ばれる形の箱です。

作家は上にある写真のような
差し箱に、黄袋に入れた
作品を収めて納品します。

「差し箱」は菓子箱のように、
箱の短辺が開く構造になっており
開閉の際に場所を取らないのが特徴です

タトウ箱は、差し箱と同じく
短辺が開けられる箱です。
布張りで、最も高級な箱です。




タトウ箱、差し箱についてはこちらの記事で解説しています!

絵を売りたい画家必見!超簡単な「差し箱」の作り方

まとめ

「黄袋」とは作品や額縁を守るための黄色い袋である!

黄袋の効果とは?ービニール袋じゃいけない理由

黄袋


額を保護する袋が必要になるという事ですが


額縁を購入すると多くの場合

  • ビニール袋
  • かぶせ箱

に入っていますよね。



なので、

「自分の作品もビニール袋に入れていいかな?」
と思うかも知れません。




ですが、頑張って描いた作品、
特に何万もするような大きな作品は
ぜひ黄袋に入れて下さい。





黄袋とは読んで字のごとく、黄色い布袋で、
額縁保護のために使います。

保護というのは、表面を守るだけでなく
なんと額縁の内側も守ってくれるのです!







黄袋の黄色はもともとウコン染めの色!


メルカリなどで古い額縁を見た事が
ありませんか?

その中には茶色いシミや黒い点(カビ)が
目立つ物がありますよね?



ウコン染めには
これらのカビ・虫を防ぐ効果があるのです!


防虫防カビ材がなかったころの、
昔の人の知恵なんですね。


また、通気性もビニールと比べて
高いので、高温多湿の環境に合っていると
言えますね。


【虫注意!】額縁に付いた虫の例






しかしながら
現在は化学染料で黄色く染めた布も
使われているそうです。




作品保護用のウコン染めだったのですが
ウコン染めは高級品。


それに今は、乾燥材や防カビ剤など
科学技術の賜物もたくさんあります。




「ウコン染めの黄色」
という「色」に意味がなくなった
現代の作家さんは自分で布を作ったり、
市販の布を使ったりして自作
されている方も
いるみたいですよ。







ウコン染めの説明はこのサイトが
オススメです!⇩
天然素材なのに防虫効果!?ウコン生地の魅力と用途とは|YAMATOMILABO



まとめ
  • 黄袋は防虫防カビ効果のあるウコン染めだった!
  • 現代では黄色い化繊布が使われることもある!

黄袋を手に入れるには?どこで買える?ー額縁屋さんで買おう!

黄袋は額縁を扱っているお店で
購入する事ができます。




額縁によっては最初から付いてくる
こともあります。


ただ、多くの場合は後述するように
オーダーメイド作成。


つまり注文から受け取りまで時間が
かかってしまいます。





黄袋を購入するのであれば、
額縁を購入する段階で
「この額縁と同じサイズでお願いします」
と黄袋を注文してしまうのがいいですね!



また、ネットでオーダーを受け付けている
額縁屋さんもありますので、
そこで購入するのもオススメです!




また、工芸品やお着物を包むのにも
使われますので、
伝統工芸品や呉服のお店でも
取り扱いがあるようです。




⇩オススメ額縁ショップ⇩

ネット注文で黄袋が買える!マルニ額縁

サイズごとにすぐ注文!額のまつえだ



まとめ

黄袋は額縁屋さんで買おう!
ネット通販もオススメ!

黄袋の自作をオススメする理由ーすぐに、安価に作れる!

上述したように黄袋は基本的に
オーダーメイド!




「今すぐ黄袋が必要です!」

と額縁屋さんに飛び込んでも
注文から出来上がりまで、
数日かかります。





加えて、自然素材を使っています。

天然のウコン染めは高級品!
なので、少し割高に感じてしまう
かもしれません。


ちなみに
筆者が購入したお店では
SMサイズで1,400円でした。





幸なことに、今は必ずしも
「ウコン染めでなくてはならない!」
というわけではないそうです。


実際、自分でデザインした布に入れて
販売されている作家さんもいらっしゃいました。


自分の世界観を大切にされている
作家さんにオススメの方法だと言えますね!





結局、ウコン染めじゃなくちゃいけないの?
手作りでいいの?



最終的には会場次第です!



カジュアルな雰囲気でブランディング
しているギャラリーなら、
手作りの袋を推奨されるかもしれません。



梱包のプロや販売員がいらっしゃる会場では
最低限の梱包にするように指示があるかも
しれません。



百貨店画廊や高級画廊では
ウコン染め+タトウ箱を
指定される場合もありますし

逆に、作家は一切の梱包不要、
全て画廊側で用意なさることもあります。





結局のところ、ギャラリーや主催に確認するのが
一番確実だと言えるでしょう。




まとめ
  • 手作りなら必要な時に、すぐに、安価に作れる!
  • オリジナルの布で作品の世界感をアピールできる!
  • 手作りでOKかどうかは展示会場に確認しよう!

黄袋を作り方を紹介!ー必要な材料は3つだけ!

黄袋作りに必要な物
  • 黄色い布
  • 手芸セット
    (ハサミ、定規、鉛筆、縫い針、糸)
  • アイロン
  • ミシン(あれば)
  • ピンキングばさみ(あれば)

この中で必要な物は

  • 黄色い布
  • 手芸セット
  • アイロン

だけです!




手芸セットを持っていない方は
お近くの百均に向かいましょう!


「ソーイングセット」(針と糸)
が販売されていますので、

定規、ハサミ、鉛筆をお持ちであれば
これを買い足すだけで揃いますよ!



せっかくなので黄色い縫い糸も
加えれば、さらに立派な黄袋が作れます。





⇩黄色い布はこちらのショップから
ご購入頂けます⇩

サイズをよくご覧になってから
ご購入下さい。


本格ウコン染めの黄袋を
作ろう!

⇩筆者は、ここの生地を使っています⇩

材料が用意できたら、
早速作ってみましょう!

広いスペースを用意してから
作り始めてくださいね!

①布を切り、線を引く

紙を見本にしてご説明いたしますね!

まずは額縁のサイズを測って、
必要な布を切り取りましょう。


額縁サイズ+余裕+上画像の縫い代分
を切っておきます。






その後、上画像のように
縫い代折りの線を鉛筆で引きます。

②口を三つ折りしてアイロンがけ

上の折り目が袋の口になります。

口部分の折り線に沿って三つ折りにし、
アイロンをかけます。

③縁をピンキングばさみで切る

ほつれどめのためにピンキングばさみで
端を切っておきます。


図では省いていますが
左、下、右の辺すべてを切っておきましょう。




ピンキングばさみが無い場合は、
ほつれ止めのピケやボンドを使っても
良いですね。



保存のための袋なので
「ほつれは気にしない!」
と言う方はこの工程を省いて頂いても
かまいません。




④半分に折って端を縫う

半分に折って、
端にミシンをかけて行きましょう!


上の図の赤いラインを縫って行って
下さいね!





いよいよ袋らしくなってきました!


ミシンをお持ちでない方は
手縫いでも大丈夫ですよ!

⑤口の折り目を縫うー塞がないように注意!

  1. まず右端を内側に折り曲げます。
  2. 次に口の部分を三つ折りにします。
  3. そのまま口を一周縫っていきます。



この段階で縫うのは、
作品を入れる「袋の口部分」!



うっかり針を貫通させて口を塞いでしまった!
ということにならないように
気を付けましょう!

⑥下の縫い代を折ってアイロンがけをする

もう少しで完成です!

下の縫い代を上に折り曲げて、
アイロンをかけます。

⑦表に返して完成

今まで作業していた面は実は裏側!


最後に袋を表に返して、
手作り黄袋の完成です!

黄袋は必ず必要?ーイラスト展や雑貨販売では、なくていい

展示風景 作品

イラスト展のようなカジュアルな
展示会の場合は使っていない作家さんが
多いようですね。


特に、「ミニミニ額」のような
小さい額縁の作品、プチプチで包んで
手提げ袋でお渡しということも多いです。


また、百貨店での展示販売の場合も
売り場によっては黄袋・タトウ箱不要、
百貨店に梱包を一任という指定が
あることも。



作家さんによっては一万円を越えたら
黄袋に入れたり、黄色い布で包んだり
されている方もいます。





お客様の中にも
「すぐ飾るから」「場所を取るから」
ということで箱なしでご購入される
方もいらっしゃいます。



出品する場所に合わせて黄袋を
用意するか決めるのが良いですね!

まとめ
  • イラスト展、雑貨販売などのカジュアルな場所では必要ないこともある!
  • 高い作品にのみ付ける作家もいる!
  • 百貨店販売でも売り場によって違う。主催に確認しよう!

【絵を売りたい方必見】黄袋の作り方まとめ

作品

以上、黄袋の作り方を解説してきました。

簡単な作りなので手芸初心者でも、
ミシンがなくても作れてしまいますよ!





ぜひ、あなたもご自分の作品を
今よりラグジュアリーにお包みしてみて
くださいね!


きっと喜んでいただけるはずですよ!

作品の梱包や発送は、こちらでも解説!

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