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代赭(岱赭)とはどんな色?顔料の使い方は?【日本画】

この記事で分かること
  • 代赭は赤土色のこと。鉄鉱石で出来ている!
  • 狩野派の絵師も代赭の絵具を使っていた!




皆さんは代赭(岱赭/たいしゃ)という色を
知っていますか?


もしかしたら

「和風色の絵具を買ったら付いてきた!」
「この色、どういう意味だろう?」

ということで検索されている方も
いらっしゃるかもしれませんね。



この記事では、

  • 代赭の色はどんな色か
  • いつ生まれた色なのか
  • なんで赤い色になるのか
  • 語源は何か
  • 狩野派による代赭絵具の使い方


を解説していきます!


最後まで楽しんで頂ければ幸いです。


代赭(岱赭)の色とは?

PexelsによるPixabayからの画像


系統色名等「くすんだ黄赤」
「赤み委の暗い黄赤」
別表記岱赭
代赫
赭石
主成分酸化第二鉄




「くすんだ黄赤」「赤みの暗い黄赤」
と表現される色で、赤土の色ですね。



色名としては「代赭」が一般的ですが
日本画絵具では「岱赭」表記が多いようです。


「代赫」また「赭石」とも書かれます。


代赭とは顔料(絵具の色の素になる粉末)の
ひとつで、先史以前から壁画などに
使われていました。



顔料としての代赭においては
「厳密な色」は定義することができません。

赤土や鉄鉱石など自然物から採取されてきた
絵具だからです。




生成される土壌、製造時の条件によって
赤や黄色みが変わります。



代赭(岱赭)の成分と材料

代赭の原料だった赤鉄鉱
György Károly TóthによるPixabayからの画像




代赭の赤褐色の成分は酸化第二鉄です。



以前は赤鉄鉱(ヘマタイト Fe2O3)を粉砕
して作っていました。


赤鉄鉱はそのままでは銀色の鉱物ですが
砕くことで赤褐色になります。


また、赤鉄鉱を焼いて作った顔料もあります。

現在は硫酸第一鉄(FeSO4·7H2O)を加熱して
作成しています。



本によっては
「黄土を灼熱して水分を取り去ったもの」
という記述もありますが、

鉄分を多く含む黄土を焼いて作った
顔料は弁柄(ベンガラ)とされています。




このように代赭と弁柄は同じ物として
扱われる事がある
ので注意が必要です。


代赭(岱赭)の語源と歴史

Photo by Wolfgang Hasselmann on Unsplash




代赭の「赭」は赤土を意味しています。


中国山西省の代州で採取された赤土が
上質だったので「代赭」と呼ばれるように
なりました。



ちなみに古代日本語では
赤土のことを「そほに」「はに」と
呼んでいます。


まとめ
  • 代赭とは赤土の色である!
  • 色の主成分は赤鉄鉱や第二酸化鉄!
  • 語源は中国の代州の赤土が良質だったから!


代赭(岱赭)の絵具にはどんな物がある?

Photo by Arthur Hickinbotham on Unsplash




代赭と名前が付いた絵具は、日本画絵具や
和風色の絵具で販売されています。


具体的には天然岩絵具、新岩絵具、
顔彩、水干絵具などですね。


西洋の絵具ではバーントシェンナ
近い色と言われています。



また、絵具ではありませんが日本画材店の老舗
上羽絵惣」の「胡粉ネイル」では
「古代岱赭」という色も発売されています。


狩野派の代赭(岱赭)の使い方

用意するもの
  • 代赭
  • お椀(乳鉢)
  • ぬるま湯
  • 練り棒(乳棒)
  • 絵皿(猪口)

①代赭が粉になるまで擦る

Photo by Katherine Hanlon on Unsplash




代赭が棒状になっている場合は
1.5cmほどに折ってから使います。


代赭の欠片を乳鉢に入れて
粉になるまで乳棒で磨り潰します。



②代赭に膠を入れて練る



粉になった代赭に少量の膠を入れて、
乳棒でよく練ります。


③代赭を水で溶く



擦り棒を持ったまま、中指で水を掬い

擦り棒から伝い落としつつ、
代赭を溶き下ろします。



④一晩おいて上澄みを使う



よく溶けたら、一晩おいておきます。

こうすることで不純物が沈殿し、
良い発色の上澄みだけ使うことが
できるのです。


使用するときには、この上澄みを
絵皿に移して着色します。


まとめー代赭(岱赭)の色とはどんな色?顔料の使い方は?【日本画】




最後までお読み頂きありがとうございます!


代赭という言葉はそこまで一般的な
色名ではないかもしれません。



しかし中国からやってきた色の変遷、
そして赤土という顔料を知ることで

人類の歴史にロマンを感じる機会に
なったのではないかと思います。




皆さんもぜひ他の色の歴史や
顔料の成分を調べてみて下さいね!



丹青指南現代語訳

狩野永徳唐獅子図
狩野永徳 – [1], パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4210868による




この現代語訳は筆者が趣味で行いました。

大正時代の文章の専門家ではないので
間違い等あることを承知の上で
ご覧下さい。



↓原文はこちらでお読み頂けます。
国立国会図書館「丹青指南」


また、こちらの本でより詳しく
解説がなされています。



一、代赭(たいしゃ)



この絵具は一種の鉱物で、
鉱物そのままの物と、棒状に作ってある物の
二種類がある。

質が良いものはどれを用いても構わない。



そして溶き方、および使い方などは
全て藍棒と同じである。


違う所は、砕いた破片を渋出しせず、
すぐに粉状に擦ることだ。



それに膠を入れて練り、
水で溶いて、そして一夜おいておき、
粒子の粗い物が沈殿した上澄みを
絵の具皿に取り分けて、使う事は
全て藍と同じである。



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