8/1 新刊『日本画の絵具と色彩』発売されました!

「絵はすぐに上手くならない―デッサン・トレーニングの思考法」で、絵とイラストが上手くなる方法が分かる!【要約と感想】

こんにちは、日本画家の深町聡美です。


皆さん、絵を描くのが上手くなりたいですよね?

自分で上手くなる方法を調べている、
優秀な皆さんの中には

「毎日クロッキー100ポーズ描いています!」
「ノート十冊、模写をしました!」


という方もいらっしゃるかも
知れませんね!




一方で、あなたは

「努力を続けても上手くならない……」
「まず努力のやり方が分からない……」

ということ、ありませんか?



今回はそんな、

  • 上手くなりたいけど何をすればいいか
  • 分からない練習しているけど上手くならない
  • もっと効率よく上手くなりたい



これらの悩みを一気に解決する本
「絵はすぐに上手くならない
―デッサン・トレーニングの思考法」

を要約して、紹介いたします!

「絵はすぐに上手くならない―デッサン・トレーニングの思考法」は、こんな人にオススメ!【要約・感想】

絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法 [ 成冨 ミヲリ ]
絵を描く人、教える人、興味ある人は
全員持つべき本と言っても過言ではありません。

その中でも特に、

  • 将来絵・イラストを仕事にしたい
    高校生・大学生
  • 独学で絵を学ぶ社会人
  • 「ぶっちゃけデッサンっていらなくね?」
    「クロッキーって意味あるの?」って人


には、絶対に、手に取って頂きたい本です。

「絵はすぐに上手くならない―デッサン・トレーニングの思考法」の内容は?【要約・感想】

Photo by ThisisEngineering RAEng on Unsplash

この本は、一言で言うと
「最短で上手くなるには、
どんな練習をすればいいか」

を教えてくれる作品です。

既存の練習本のように、
写真を模写し続けたり、
理論を教えてくれたりする、
スポ根練習本ではありません




むしろその逆、
最短で上達するトレーニングを教えてくれる
のです。




あたかもジムのトレーナーのように、
カウンセリングをして、
あなただけの練習方法を編み出してくれます。





正直に申し上げて美術の授業、
特に普通科の美術では教えることができない
内容がてんこ盛りなので、


「受験デッサン?まだ早くね?」

と思っている高校生にもオススメです!

普通科の授業じゃ教えられないとは?


ほとんど絵を描けない人に
「わかった!」と興味を持ってもらうのが
学校の美術の授業です。


たとえば、
デッサンが光と陰影で
描かれていると分かれば、

つまらなかった美術館の絵も
少しおもしろくなるかもしれません。



ピカソのフルネームを覚えれば、
いつかピカソの研究家になるかも!?



このように、美術の授業は、
全く美術を知らない人にとっての

「アートの入り口」なのです。


なので、デッサンならば
「大きい陰影を描いて、
だんだん細かく描いて……」


という受験デッサンの方法より


「輪郭を描いて、影をつけたら、
輪郭だけ描くよりも立体的に見える!」

に時間をかけて教えているのです。




そうなると、受験用の難しいテクニックや
道具の使い方は、
普通科の美術の授業時間では
到底教えられません。



だから、絵を上手く描く方法は、
普通科の授業ではなかなか
教えられないのです。


大切なのは、自分の目標と実力をふりかえること! ―「絵はすぐに上手くならない―デッサン・トレーニングの思考法」【要約と感想】

①目標を決める

あなたは、



  • 絵が目的か
    (絵を描くのが楽しいから、絵を描くのか。)


    それか
  • 絵が手段か
    (絵を描いて、別の事に活用したいのか。)




どちらのタイプでしょうか?




まずはこれを考えてみましょう!


たとえば、
絵が目的タイプは、
他の人に見られなくても満足で、
延々と絵を描いていられるタイプ
です。


絵が手段タイプは、
Twitterで〇万フォロワーを獲得するために
絵を描くぞ!というタイプです。



分かりやすい例なのでTwitterで例えましたが
悪者っぽく見えますね(汗)

ですが、



  • 英会話で足りない所をイラストで説明したい!
  • ヒーリングアートで人を癒したい!
  • マンガでストーリーを見せたい!



なども後者です。


絵を描く以外の目的がある場合は
「絵が手段」のタイプ
と思っていいでしょう。






さて、なぜここで
「絵が目的か」「絵が手段か」
を考える必要があるのでしょうか?



それは、自分の目標をはっきりさせるためです。




後者の「絵が手段」タイプはさっきの例だと
「〇万フォロワーGET!」と、
目的がはっきりしていますね。


一方前者の「絵が目的」タイプは、
ゴールがあいまいです。




いっぱい描けばもちろん絵は上手くなりますが、
なんとなく描き続けるより、
目標を持って描いた方が
断然進歩は早くなりますよね。



なので、「絵が目的」タイプの場合は、
自分でしっかりと〆切や目標を立てる

必要があります。

②自分にとっての上手さを明確にしよう!



この本では「上手」を2つに分けています。




ひとつは写真のように描ける
「テクニックの上手さ」


もうひとつは、
「形を思い出してすぐ描ける上手さ」です。


このどちらが、自分がめざす「上手」なのかを、
はっきりさせましょう。




「どっちも欲しいな~」
と思うかもしれませんが、筆者的には
「形を覚える」を優先すべきだと考えます。




なぜなら、物の形を覚えていないと、
テクニックの絵も上手に描けない
からです。




ここは本にも書いてある部分なので、
読んで納得して下さい。



少なくともテクニックの上手さを追及するのは、
美術大学に受かってからでも遅くはない

と思います。



まずは基本をしっかり身に着けましょう!

③なぜ描けないのかを理解しよう

絵を描くのに必要な身体の部位。
それは、目、手、脳の3つだそう。


これらがそれぞれ鍛えられていないと、
絵は上手くかけないのだそうです。




を鍛えるのは簡単です。
筋トレと同じように、描きまくればいいのです。

そうすると、自由自在に好きな線を好きな場所に
描けるようになりますよ。



※ただし、サボると急激に退化するので
注意しましょう。




めちゃめちゃ絵が上手いのに、
石膏デッサンが下手な人は、
手が衰えている可能性があります。

筋肉的な意味でもね。






次に簡単なのはを鍛えることです。

目を鍛えるとは、
いわゆる「よく見ましょう」というやつですね。




マンガやイラストを描きなれている方の中には、

手は鍛えられているのに、

なぜか何を描いてもマンガチックになってしまう
方がいらっしゃいます。



それは、恐らく
目が鍛えられていないからでしょう。


ここが鍛えられていないと、
観念的な、「一見、上手いっぽい絵」
になってしまいます。




普通科高校や中学校でよく教わるのは
ここの鍛え方でしょう。


ありのままの形をよく見ることは、
気遣い、自己肯定感の向上、研究、商品発など、

人生において応用が一番しやすく、
目・手・脳の中で、最も鍛えるべき場所だからです。







最後に、



これは美大受験において
必ず鍛えなければならない場所
です。


鍛え方は本を参考にして下さいね!





ただ、この項目で一番、
「それそれ!それを言いたかった!」
と思ったのはこの言葉。

「個性とは自分ではコントロールできない、自然と滲み出るもの」




人と違う、変な事をするのが個性じゃないんです。




「じゃあ、個性ってどうやって出すの?」


そんなあなたは、
スクラップブッキングに挑戦しましょう。




やり方はこの本に書いてあります。
ネットにもあると思うので、調べてみて下さいね。





筆者も学生の頃に始めて以来、
ずっと続けています。
(今はGoogle PhotoとPintarestを使っています。)

④自分の能力を分析しよう!

「自己判断テスト1自分の絵を診断する」



この本では、自分の能力を分析することに、
多くのページが割かれています。




その中でも 一番の山場になるのは、
「自己判断テスト① 自分の絵を診断する」
のページだと言えるでしょう。






そうなのです。
本の指示に従い、実際にクロッキーを行うのです!




ここでは著者である成冨ミヲリさんが教えた、
数々の生徒さんの作例をもとに、

  • 初心者~上級者 のどのレベルにいるのか?
  • どんな描き方が得意が?
  • 逆にどんな弱点があるか?



を診断してもらえます!





いえ、診断をするのは成冨さんではなく自分ですが、

17コもの作例が掲載されているので、
あたかもその場で、


「あなたの絵は○○タイプ」
と診断してもらっているかのような
気分になってきます!

自己判断テスト2「能力別自己診断シート」

ここでは40問の質問に答えて、

・アイディア
・オリジナリティ
・形状ストック
・構図構成力
・形を取る力
・立体を把握するカ
・完成させる力



8つの能力を診断します。





これによって、8つの能力の内
どれが得意なのか、苦手なのか

を知ることができます。




もちろん、
それぞれの能力を高めるには
どんな練習をすれば良いか、
丁寧に説明されていますよ。




そして最後に、①~④の手順で
ふり返った「目標・実力」を、

レーダーチャートにまとめます。





これで、自分の実力を完璧に客観視できました!

⑤必要な能力を調べよう

自分の能力を客観視できたら、
なりたい自分や職業に、
どんな能力が必要か調べます。






「ジャンル別 必要な能力をチェックする」
のページでは、
「自己判断テスト2」の8つの能力が
どれくらい必要になるかが分かります。



載っているのは以下の11個の職業です。

  • 企画アイディア系
  • 映像・写真系
  • デザイン系
  • 3DCG系
  • 建築インテリア・空間デザイン系
  • コンセプトアート系
  • マンガ・アニメ系
  • イラスト系
  • ファインアート系
  • 具象アート系
  • 美大受験系

あなたの興味がある職業は見つかりましたか?


前の章で作成した自己診断と、
このページを見比べれば、

・やりたい職業のために何をのばすべきか
・今の能力的に向いている職業は何か




を調べることができるのです!

⑥トレーニング方法

Photo by Victor Freitas on Unsplash

実力目標が分かったら、あとは
トレーニング方法を決めるだけ。


まずは、

  • アイディア
  • オリジナリティ
  • 形状ストック
  • 構図構成力
  • 形を取る力
  • 立体を把握するカ
  • 完成させる力




から自分が伸ばしたい能力を
または克服したい能力を一つ選びます。

この8つの能力に対応した練習方法を選んで、
重点的に繰り返せばいいです。


練習方法の一例を載せておきますね。



  • スクラップブッキング
  • クロッキー
  • 写真
  • 作品鑑賞
  • 模写
  • 知識
  • 模刻
  • デッサン

    など


たとえば、アイディアの能力を高めたいなら
スクラップブッキングや作品鑑賞などが
対応しています。



このあとは練習方法の詳細にしたがって、
自分に最適なトレーニングをくり返すだけです!


  • 自分の力を知る
  • 目標を知る
  • やるべき練習を知る



この三つが絵の上達に、

最も大切なことなんですね!







「絵はすぐに上手くはならない」
なら本を買う意味ないって
思っていませんでしたか?


とんでもない!

最短最速で絵が上手くなる方法を、
この本は教えてくれたのです!

質問集は初心者必見!

この記事では、
自己診断と練習方法
焦点を当てて紹介しました。


しかし、他にも絶対に読でほしい所が
たくさんあります。



特に
「トレーニング方法に関する質問集」
必見ですよ!





たとえば

デッサン指南書の使い方



ネット上には、
「『ルーミスのやさしい人物画』は
上手くなるには必須!」



といった、デッサン指南書の活用法が溢れています。



しかし 「これでメチャクチャ上達した!」

といった話は、あまり多く聞きませんよね?




それは一体なぜなのでしょうか?




この問いに対して、指南書の使い方や
オススメの書籍に触れながら

詳しく回答がなされています。





他にも、ネットでよく見る、

  • 30秒クロッキーってやるべき?
  • トレースで練習していいの?
  • 右脳を鍛えると上手くなるの?


などの質問にも答えられています!

要約・感想のまとめ―「絵はすぐに上手くならない―デッサン・トレーニングの思考法」で、絵とイラストが上手くなる方法が分かる!

以上、

「絵はすぐに上手くならない―デッサン・トレーニングの思考法」
の要約と感想でした。


  • 自分の絵の実力と目標を明確にしないと、最適なトレーニングも分からない。
  • 最適なトレーニングを積めば、必ず上達する。


これが、この本が伝えたかったことだと思います。



絵を描いている皆さん、描きたい皆さんは、

ぜひ、一度本書を読んで、
自己診断テストをやってみて下さい。

そのあとでも練習メニューを考えるのは
遅くありません!


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