【展示情報】天神アートクロッシング 12/20(火)~12/25(日)

日本画を簡単に描くにはアクリル絵具と併用すべし!?【初心者必見】

この記事で分かること
  • 日本画とアクリル絵具を併用する時はアクリル絵具を下にする!
  • 十分に乾かしてから塗り重ねる!



日本画って手間がかかって大変ですよね。


ある絵具メーカーさんに聞いたのですが


アクリル絵具と日本画絵具を併用すれば
簡単でお安く日本画が描けてしまうのだそう!




でも違う種類の絵具を混ぜて描いても
大丈夫なんでしょうか?



というわけで、そんな疑問に答えるべく


日本画とアクリル絵具を併用する時の
メリットデメリット、注意点を解説いたします!





日本画とアクリル絵具を併用していいの!?

©DARENIHO

アクリル絵具と日本画絵具を併用していいの?

プロ画家や学校の先生の中には推奨している方もいるんだって!



結論から言うと

「推奨できる使い方ではないが、
日本画とアクリル絵具を併用している方は
多い」


ということです。



絵具メーカーさんとしては
想定している使い方では無いので
「併用していいよ!」
とは言えません。



ですが、日本画絵具とアクリル絵具を併用して
日本画作品を作っているプロの方も
割といらっしゃるのだそう。



また、中学校や高校の部活では、
製作時間も絵具を買う予算も潤沢ではありません。



そのため、乾きやすく安価なアクリル絵具と
日本画絵具、油絵具を併用して
制作していることもあるようです。



プロの方や学校でもやっている描き方なら安心だね!

でも併用するときには注意すべきこともあるよ。



日本画とアクリル絵具を併用するときの注意点

©DARENIHO

アクリル絵具と日本画絵具を併用するときの注意点?

アクリル絵具は下地に使うようにしてね
よく乾かすのも大事だよ!


アクリル絵具と日本画を併用するときの
最大の注意点。



それは、

「アクリル絵具を下に塗ること!」

「アクリルの下地を乾かしてから
日本画の絵具を塗り重ねること!」


これは油絵と併用する際も同じです。



アクリル絵具と日本画を併用すると「剥がれる」!?

©DARENIHO

なんでアクリル絵具が下じゃないといけないの?

絵具が剥がれることがあるんだよ!



日本画絵具もアクリル絵具も、
どちらも同じ「絵具」。


でも全く違う特性を持った、
別の種類の絵具なのです。



一番分かりやすい特徴が、

アクリル絵具は乾いたら耐水性になる。
日本画絵具は乾いても耐水性じゃない。


ということですね。




全く異なる絵具同士なので、安易に使うと
ひび割れや絵具の剥離などの弊害が
起きてしまう
のです。



絵具の種類って何?

絵具の種類は、絵具に含まれる
「展色剤」で決まります。


展色剤とは絵具の成分の一つで、
色の素である「顔料」を紙に付着させる
「糊」です。


展色剤の種類によって絵具の種類も
以下のように分かれます。


(例)
顔料+展色剤=絵具の種類
顔料+膠=日本画
顔料+乾性油=油絵
顔料+アクリルエマルション=アクリル絵具





併用で絵具が剥がれるのはなぜ?

Ulrike LeoneによるPixabayからの画像

でもアクリル+日本画なら大丈夫なんだよね?
なんで日本画+アクリルだとダメなの?

日本画絵具が耐水性じゃないから、ふやけて剥がれるんだ。


アクリル絵具は日本画絵具よりはるかに
堅牢でしなやかな絵具です。

そして
使う時は濡れていて、乾いたら耐水性
なります。



つまりアクリル絵具の方が日本画絵具より
しっかり付着する絵具なのです。



©DARENIHO



なので、アクリル絵具の上から日本画絵具を
乗せても大丈夫!



耐水性だから日本画絵具の水分で落ちない

しなやかだから日本画絵具が乾くときに
収縮しても全然平気
なんですね。


©DARENIHO






でも日本画絵具は乾いても耐水性になりません。


水で絵の具が剥がれてしまうのです。




乾いた日本画絵具の上にアクリル絵具を塗ると

その水分で日本画絵具は剥がれやすくなり


さらにアクリル絵具が乾くときに
ギュッと収縮するので、それに耐えられずに
取れてしまいます。





(しかもアクリル絵具は乾くのが超早いから
日本画絵具が固まる前に急速に縮む!)



©DARENIHO





アクリル絵具と日本画絵具の併用について
説明した論文ではこのように解説されています。

~水干絵具の上にアクリル絵具、もしくは薄く溶いたメディウムで描いていたことである。アクリル絵具は乾くと耐水性に変質するが、膠は耐水性に変質しない。膠で溶いた水干絵具や岩絵具の上からアクリル絵具をのせてしまうと、乾いていた膠がアクリル絵具の水分でふやけてしまい、水分量によっては膠が乾燥するよりも先にアクリル絵具が耐水性に変質してしまう。また、膠の接着力が弱くなったところに、アクリル絵具が乾燥する過程で強く収縮することにより画面に亀裂やひび割れ、剥落が起こるのである。

日本画絵具とアクリル絵具の併用に関する研究/山田 春歌
https://www.housen.or.jp/common/pdf/26_05_yamada.pdf



つまり、アクリル絵具の方が速乾で、丈夫だから下地にした方が良いという事だね。

絵具を併用する時は、その特性を考えないといけないね。





日本画とアクリル絵具を併用するリスクとは!?

①アクリル絵具を十分乾かさないと剥離する!

塗る順序以外にも注意点ってある?

剥離を防ぐには「よく乾かす」事も大事だよ。



日本画⇒アクリルの順に塗る事による
剥離のほかに、

アクリル絵具が乾いてないことによる
剥離・ひび割れもあります。




でもこちらはしっかり(72時間程度)
アクリル絵具を乾かしておけば大丈夫です。


アクリル絵具は乾燥が早いとされているが、実際完全に乾ききるまでに72時間程度の時間が必要である。そのことを踏まえると、剥離現象やひび割れはアクリル絵具が乾燥する過程で起こりやすいと言える。つまり、画面上の絵具が確実に乾いていればこのような状態は避けられるということである。

日本画絵具とアクリル絵具の併用に関する研究/山田 春歌
https://www.housen.or.jp/common/pdf/26_05_yamada.pdf



②アクリル絵具は百年持たない!?

画像:pixabay

また、アクリル絵具自体がどこまで長持ちするかは不明だから百年先まで今のままの作品かは分からないんだ。




実は、アクリル絵具の耐久性は不明です。


何百年、今と同じ綺麗な色であり続けられるか
誰も明確に知らないのです。



なぜなら、アクリル絵具は60年前に生まれた
新しい絵具だから!



大手アクリル絵具メーカー「リキテックス」が
販売を始めたのが1955年ですから、

何百年も綺麗なことが分かっている
油絵や日本画絵具と比べて少々心もとないですね。



各絵具メーカーによって研究はどんどん進んでいます。
本当はとても長持ちする絵具かもしれません。






またアクリル絵具についてこのような
記述がありました。



3-1-8.絵具自体での許容性が低い:
天然素材を利用するものではなくて工業資材だけに数々の助剤が配合されているため,他社品と併用できない場合が少なくない。
アクリル絵具は伝統的でないだけに各社個性的な品を用意していて併用したくなるから,一社だけの使用制限は描く立場にはいささかつらい。

アクリル絵具/荒木豊 
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai1937/75/11/75_544/_pdf



これはアクリル絵具同士への言及ですが

種類が全く違う日本画絵具との併用でも
同じ事が言えると考えられます。



日本画とアクリル絵具を併用するメリットは!?

©DARENIHO

剥がれるリスクがあってもアクリル絵具の併用が人気なのはなぜ?

『安価、速乾、発色』の三つがあると思います。


金沢美術工芸大学大学院の山田春歌氏によると
日本画家の60%以上がアクリル絵具と併用
しているとのこと。




これだけの人が併用するという事は
それだけのメリットがある!

ということですよね。

では、そのメリットとは何でしょうか?


筆者は

  • 安価
  • 速乾
  • 発色

の三つがあると考えます。





まず、アクリル絵具は日本画絵具と比べて
とても安い
です!


安くても15g200円程度の日本画絵具。


発色が良いものだともっと高価です。



ですが、アクリル絵具は伸びやすく発色も
良く、200円でそれなりの面積を塗れます。





次に速乾性。


日本画絵具では、いちいち「待ち」の
時間が挟まります。



裏打ちの乾き待ち…
ドーサの乾き待ち…
膠の溶かし待ち…
絵具の乾き待ち…



この「待ち」の多さは、恐らく忙しい
現代人にとって結構なストレスでしょう。



そこに速乾性のアクリル絵具は非常に
便利なのです。






最後に発色。


日本画絵具は粒子が大きいので
何層も何層も絵具を重ねないと
良い発色にはなりません。



油絵やアクリル画も重ねて発色が
良くなりますが、それらよりもはるかに
顕著です。



なので、何層も重ねるべきなのですが

そこに「乾き待ち」が加わって非常に
面倒なことになっています。



そこに「一発で良い発色になるアクリル絵具」
を投入する。



すると日本画絵具で描くよりも
手軽で簡単に良い発色の絵が描けてしまうのです!





まさに「簡単、手軽」に日本画を描くなら
アクリルを使わない手はない!

と言えますね。



まとめー日本画とアクリル絵具を併用する方法




最後までお読み頂きありがとうございます。



結論は
「日本画を簡単に描くならアクリル絵具と併用しよう!」
ということになります。



しかし狩野派の日本画技法書にはこのような
文章がありました。

最近有名な画家が描いた絵が、大して時間が経っていないのに胡粉部分が剥落して、せっかくの美観を損ねていると、その絵の所有者の不満を聞くことがあります。

「丹青指南」市川守静



簡単に描く上ではアクリル絵具は
便利かもしれません。



しかし、絵具の特性を理解して描かないと
様々なリスクがあることは覚えておきたい
ですね。







参考文献
「日本画絵具とアクリル絵具の併用に関する研究」
山田 春歌 (金沢美術工芸大学大学院)

「アクリル絵具」
荒木豊 







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