- 絵墨淡がどんな色がわかる!
- 絵墨淡の特徴と向いているイラストがわかる!
- 絵墨淡と絵墨の違いがわかる!
こんにちは、日本画家の深町聡美です。
4月に新色が発売されたばかりの
「絵墨」の最新作、「絵墨淡」
こちらの絵具を
「絵墨」や「顔彩」と比較!
さらに、絵墨淡の6セットのみを使用して
イラストを試作!
使い心地や色の具合を、徹底レビューしてみました!
購入を迷っている方がいらっしゃいましたら
参考にして頂ければ幸いです。
Contents
絵墨淡はどんな画材?いつ発売された絵具なの?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_2142-1024x505.jpg)
「絵墨淡」(えずみ たん)は
「絵墨」シリーズ三作目の最新作!
2022年の4月に発売された、
顔彩・水彩のように使える絵具です。
「絵墨」のグレイッシュ系の落ち着きは
そのままに、明るくポップな色が揃いました。
「絵墨」の販売は2001年ですが、
2020年には「絵墨明」、
2022年には「絵墨淡」が発売されており、
今注目の画材の一つです。
絵墨とは?
書道や日本画道具を多く取り扱っている、
「墨運堂」(ぼくうんどう)が作った絵の具です。
ほのかな色彩が特徴で、水墨画、俳画に
適しています。
しかし、顔彩のように筆で擦って使える事から
水彩イラスト制作でも人気の画材です。
絵墨の発売は2001年ですが、人気の上昇から
2020年に「絵墨明」が発売されました。
関連記事
絵墨淡にはどんな色があるの?色の種類は6色!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_2143-1024x606.jpg)
絵墨淡は、6色セットで販売されていますが、
どれも使いやすい色ばかり!
- 小梅淡(こうめたん)
- 黄柚子淡(きゆずたん)
- 蓬淡(よもぎたん)
- 浅葱淡(あさぎたん)
- 菖蒲淡(あやめたん)
- 小豆淡(あずきたん)
単色での販売も有り
各税込220円
赤系、青系、黄色系の三原色に二色ずつの
計六色がセットになっていますから、
幅広い作品が描けます。
絵墨淡と絵墨の違いは何?色と使い心地からレビュー!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/04/67D31980-C0E7-40AB-AA91-EAF61A427383-1024x686.jpeg)
さて、絵墨ユーザーさんが気になるのは
「絵墨とはどう違うのか?」
「使い心地は同じなのか?」
という事だと思います。
そこで、
から比較検証致しました。
まずは色の比較からいってみましょう!
絵墨淡と絵墨の色を比較!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_2141-1024x728.jpg)
絵墨と絵墨淡を比較したところ、
上記の画像のようになりました。
- 赤系―小梅淡
- 黄系―黄柚子淡
- 緑系―蓬淡
- 青系ー浅葱淡
- 紫系―菖蒲淡
- 茶系ー小豆淡
というように元来の絵墨に対応した
色になっています。
しかし、墨のような
分離感、透明感は無くなっています。
これが最も大きな違いと言えるでしょう。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_2141-1024x728.jpg)
また、筆に充分絵具を含ませたときの
色むらも少なく、よりマットで
隠蔽力が高い印象を受けました。
色そのものは、顔彩でも見かけない
落ち着いた色です。
しかし絵墨よりも明度が高く、
可愛らしい雰囲気も作りやすい絵具と
言えますね。
トーンで言うと、
ライトグレイッシュ系だと思います。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/04/1622355731438-fgV1XlIpTh.jpg)
- 墨、絵墨ほど、分離感や透明感はない!
- マットで隠蔽力が高い!
- 絵墨よりも明度が高い、ライトグレイッシュ系の色!
絵墨淡と絵墨の使い心地を比較!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1850-687x1024.jpg)
絵墨のグレイッシュな色合いは
引き継ぎつつ、明るく、マットな色合いに
なった絵墨淡。
その使い心地は、絵墨と、どう異なるのか!?
実は、かなりの違いがありました!
意外にも、
絵墨淡の使い心地は絵墨よりも
顔彩に近いです。
まず、水を含ませた筆で絵墨を撫でると
顔彩のようなベタつきを感じます。
筆に絵具を付着させ、持ち上げた後にも
顔彩のような重量感を感じました。
柔らかく、溶けやすい絵具
=発色がいい絵具
という事かも知れませんね。
加えて、顔彩同様のテリがあります。
これは膠(にかわ)という
糊剤の影響だと思うのですが、
特に緑系の顔彩に顕著でした。
顔彩と、絵墨で描いたイラストで
比較してみましょう。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG_0078-1024x628.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_2157-1024x726.jpg)
薄く塗った場合は
テカテカ現象は起こりませんでした。
テカテカになるくらい濃く塗り、
水を付けた筆で毛などの細部を
描き込むことも、顔彩同様に可能です。
色は透明水彩や絵墨と比べると不透明で、
濃度によってはペン入れした線を
完全に見えなくすることも出来てしまいます。
これも、絵墨ではなく
顔彩(特に白っぽい不透明色)の
特徴に近いかもしれませんね。
絵墨ー絵墨淡の使い心地の違い
- サラッとしている―べたつきがある
- テリがない―テリがある
- 下の色が透ける―透けにくい
絵墨淡の使い方ーイラストを描いてみよう!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_1856-1024x656.jpg)
絵墨淡の使い方は、
顔彩や透明水彩と同じです。
- 筆に水を付ける
- 絵墨を筆で撫でて、絵具をとる
- 絵皿やパレットで絵具を落とし、濃度を調整する
- 紙に塗る
混色をするときは、
②で絵具を多めに筆にとり、
③で混色しましょう!
絵墨の色が混ざってしまうので、
- 筆に水を付ける
- 絵墨を筆で撫でて、
絵具をパレットや絵皿にとる - 筆を筆洗で洗う
- 混色したい絵具を筆にとり、
絵皿の中でもう一つの色と混ぜる
というように、
別の色をとる前に筆を洗うようにしましょう。
絵墨は、混色コーナーが付いていない
パレットのような絵具。
なので、絵皿やパレットを用意すると
綺麗に混色することができますよ。
⇧絵皿にもサイズがいろいろあります。
絵墨の使い方は、顔彩や透明水彩と同じ!
筆を濡らして絵墨を撫でて使おう!
絵墨淡を使ってイラストを描いてみた!
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/FRLn0GzUYAA6b31-1024x706.jpg)
- 絵墨のようにグレイッシュな色
- 不透明
この特徴を持つ絵墨淡を使うと
どのような絵が出来上がるのでしょうか?
こちらは絵墨淡と鉛筆のみで
描いたイラストになります。
混色はしていませんので、
絵墨そのままの色になります。
この6色の中では浅葱淡が高彩度で、
良く目立っていますね。
他の画材と併用しても、
良い存在感を発揮するでしょう。
インスタグラムには絵墨淡を使った
素敵な作品がたくさんありますので、
ぜひ皆さんも検索してみて下さい!
絵墨淡と顔彩の違いは?
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2021/06/IMG_7494-1024x622.jpeg)
顔彩と絵墨淡は見た目がよく似ていますが、
違いはあるのでしょうか?
結論から言うと、
使い心地において違いはほぼありません。
上述の通り、
筆で擦って色をつける
「透明水彩スタイル」の使い方です。
テカテカする特徴やモッタリ感も、
絵墨より顔彩に近いと感じます。
なので、顔彩に慣れた方には使いやすい
絵具だと考えられますね。
色についてはこちらをご覧ください。
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG_2141-1024x728.jpg)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2021/06/名称未設定-1-1024x648.jpg)
顔彩12色と絵墨の色見本を並べましたが、
絵墨淡の方が「白が強い」(≒高明度)
な色になっていますね。
白緑や白群系の色に近いと思います。
また、白系の絵の具ということで
不透明です。
類似した色の顔彩がないか
ざっとラインナップを見てみましたが、
顔彩の中では
近い色味の顔彩は販売されて
いないようでした。
画像で見た印象になりますが
呉竹 顔彩耽美の新色が近いかもしれません。
しかし、現段階では墨の深みと顔彩の発色を
両立した、オンリーワンの絵具であると言えます。
使い心地は顔彩と同じ!
でも色は他にはないライトグレイッシュ!
絵墨淡でイラストは描ける?絵墨淡の使い方とレビュー!まとめ
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/05/283D368C-A8DE-4379-8EFB-E49DBAC89D18-1024x712.jpeg)
絵墨淡は、絵墨と比較して
一層顔彩のような使い心地になっています。
しかし、絵墨系の落ち着いた色が
組み合わされており、
非常に使いやすい画材だと感じました!
グレイッシュ系の絵具は少ないので
ぜひ、画材好きさんには手に取って頂きたい
絵具です。
みなさんも、絵墨淡で和風可愛い
絵を描いてみて下さいね!
参考サイト:墨運堂、墨づくりの技術から生まれた独自の絵具「絵墨淡」を発売。 奥深いモノトーンの世界 を表現
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/名称未設定-2-1024x325.png)
![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/名称未設定-3-1024x323.png)
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![](https://nihongago.com/wp-content/uploads/2022/01/日本画のきじはこちら!.jpg)